夏祭り

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 少し遅れているのか、7時を過ぎてから、花火が上がった。 ドンドドン、ドッカーン、パァ〜ン 「うわ〜すご〜い綺麗〜!」 「おお〜綺麗だなあ」 頭上に広がる大輪の華。川に映って尚、綺麗だ。 スマホでフランクフルトの写真を撮ってから、花火の写真を撮る。当然、花火をバックに2人でも撮る。 フランクフルトを頬張りながら花火を観る。 「美味しい?」 「うん、美味しい!」 「ふふ、そっかあ〜」と、私が食べているのをジッと見てる。 「ん?」 「いや……」と言いながら明らかにニヤけている。 「何よ!」 「美味しそうに(かぶ)り付くなあ〜と思って」 「ん? 何?」 「いや……」 「もう〜何よ! あ、また絶対変なこと考えてるんでしよう〜」 「何も考えてないよ、ハハッなんだよ、変なことって」 「分からないけど、いつも拓実は1人で笑ってるもん」 「ふふふふ、あ、花火綺麗だぞ!」 「あ、誤魔化した!」 私は、知らなかった。男の人が、そういう目で見てたなんて…… 拓実もただのエロガッパなんだと後で知った。 いっそのこと、フランクフルトを噛みちぎってやれば良かったと思った。 「あ、痛そう!」と、私が食べてるのに、言ったから 不思議に思って、教えてもらったのだ。 「バカ〜!」 それ以来、フランクフルトの食べ方が分からない。 「あ、莉菜、ソフトクリームも気をつけてね」と、言われた。 「もう! そんなこと言ってたら、もう何も食べられないよ」 「あ、ごめん、今まで通り食べて!」 「うん、帰りにソフトクリーム食べよ!」 「ふふ」また、笑ってるエロガッパ そういう時は、思う 『よく、キャプテンに選ばれたなあ〜』 でも、ちょっとエッチな拓実も好き。
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