夏祭り

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近くに居たお巡りさんが気づいてくれて、走って来てくれた。 「どうしました? 大丈夫ですか?」 「あの人たちが……」すでに走っていた男たち 「あ、こら待て!」お巡りさんも走って行った。 周りは騒然として、近くに居た女性たちが、 「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。 「はい」と言ったものの動けず、怖くて震えていた。 「莉菜!」拓実がカキ氷を持って帰って来た。 顔を見たらホッとして泣けてきた。 抱きついた。 「どうした? 何があった?」 隣りに居た女性が説明してくれた。 「ありがとうございました」 「いえ」そう言って、女性たちは去って行った。 「ごめんな、1人にして。怖かったな。もう大丈夫だからな!」と、ずっと抱きしめてくれていた。 しばらく涙が止まらず、抱きついていた。 ずっと背中を摩ってくれていた。 ようやく落ち着いた。 「ごめんな」 「遅いよ!」 「カキ氷屋さん、いっぱい並んでたから、あっちの方が早いと思って……」 「だから、聞こえなかったんだ」 「ごめん」 「ふふ。でも、マネージャーで鍛えた大声を出したから逃げて行った」 「ハハ、莉菜さすがだな!」 「でも、怖くて震えてた。どっか連れて行かれるんじゃないかと思って……」 「そうだよな、怖かったな、ごめんな、一緒に居なくて、ホントごめん!」と、手を握ってくれた。 「拓実が居たら、どうしてた?」 「殴ってた」 「だろうな。じゃあ居なくて良かった」 「え、なんでだよ」 「暴力沙汰になったら、サッカー出来なくなっちゃうもん」 「莉菜〜! それは、嬉しいけど、それなら、もうサッカーなんてしなくていいよ! 莉菜の方が大事だよ」 「ダメだよ! 私は拓実のマネージャーなんだから」 「でも、俺は莉菜の彼氏だから!」 「うん、今度からは1人にしないでね」 「うん。どこへ行くのも一緒だからな」 嬉しかった。
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