告白してみました。

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告白してみました。

「ひっ、氷室くん……」  あたしの目の前には、学校で一、二を争うイケメン、氷室大和(ひむろやまと)くんがいる。  どきどき。どきどき。心ぞうが、飛び出るんじゃないかというくらい、高鳴っている。 「あ、あなたのことが好きです。付き合ってくださいっ!」  彼は、あたしの顔を一瞬見た後、そっぽを向いて言う。 「……悪いけどオレ、恋愛に興味ねぇんだ。そもそもお前のこと、よく知らねぇ」 「あたしは、冴島沙月(さえじまさつき)。氷室くんと同じ中学一年生。ついでに言うと、同じクラスだよ」 「……ごめん、全然覚えがない。そしてよく知らねぇ相手と、付き合うってのは無理」  だから、付き合えねぇ。そう言われてあたしは、がっくりと肩を落とす。  そりゃあ、そうだよね。学校では地味で、何かでかがやいたこともないあたし。  そんなあたしを、中学校で一、二を争うイケメン、氷室くんが知っているはずがない。  ……なるほど、恋する女子の気持ちが、少しだけ分かった気がする。 「ありがとう! いい研究になったよ!!!」  あたしはそう言うと、氷室くんにそう声をかけて走り出す。  彼が後ろで何か言っていた気がするけど、気にしない。  いやぁ、いい勉強になった。これは、今回の小説に生きてくるはず!  そう走りながら思う。さぁ、帰ったら早速、文章にしないと!  胸に抱えた創作ノートを、より強く抱きしめた。
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