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もしかして雨宮まで折原雄矢に好意を抱いてしまったなんてことがあり得るのだろうか。いや、あり得ないはずだ。雨宮と折原は初対面だ。それに、今の今まで雨宮は折原の不純な態度をまざまざと見てきた。実際雨宮が折原を見る目は嫌いなものを見るときのそれだ。
けれど不安がある。
とにかく折原雄矢はイケメンだ。イケメンに常識は通じない。容姿は僕なんかじゃとてもじゃないがかなわない。雨宮だって容姿が悪い人より良い人の方が好きなはずだ。
不安が膨らむ。いや、なにが不安なんだ? 僕は折原と雨宮が両想いでないことを願っているのか?
「早く」雨宮が急かしてきた。
しょうがない。
僕は自分が抱いている感情を消化できないまま渋々プログラムを起動させた。読み込みが始まる。唾を飲み込む。時間が引き延ばされたように遅く感じる。
結果。両思いでもなく。片思いでもなく。二人の間に恋愛感情は存在していなかった。
ほっと胸をなで下ろす。
よかった。雨宮は折原に対して好意を抱いていない。僕の安心をよそに雨宮は納得いかない顔をしている。
「ってことはちゃんと三人とも好きになってるってこと?」雨宮は小さく呟いた。
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