第一章

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 できるのだろうか。自分で言っといて不安になる。変換したあとの感情ファイルをどうにか操作して、元の感情とまったく同じにすることは可能なのだろうか。 「ちょっと調べてみるよ」適当なことは言えない。まずは情報を集める必要がある。 「そっか。そういうこともできるかもしれないんだね」何度も雨宮は頷く。「ありがとう」  雨宮の笑顔に僕は思わず顔を背けた。 「うん。できる限り頑張ってみるよ」 「わたしも調べてみるね」  彼女は小さくガッツポーズをつくった。
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