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そして雨宮はESP部に入部したいと言っていた。それなら顧問に入部届と出せばいいよと伝えたら彼女はすぐにそれを実行した。
「尾道陽介。彼がこの部の部長だ」
5月末の金曜日の放課後。
今日の部活で使う資料を整理していたら顧問に職員室に呼び出され、そこに雨宮光奈がいた。
「雨宮光奈。今日から入部することになった子だ」
銀縁めがねをかけた痩せ形の顧問はそう言って僕らをそれぞれ紹介した。
「よろしくお願いします」
雨宮はそう言って頭を下げた。さらさらと髪が流れる。
「こちらこそお願いします」
慌てて僕も頭を下げる。
「まさか部長さんだったとはね」
職員室を出て部室である情報処理室に向かっている時に、雨宮はそう言って笑った。よく笑う子だ。
廊下を歩いていて気づいたのはすれ違う生徒の視線が彼女に集まることだ。手品のように視線が彼女の綺麗な容姿に引き寄せられていく。それは男子生徒も女子生徒も。
そういえば同じ学年にかなり可愛い子がいるという噂が回ってきたが、たぶん彼女のことだったのだろう。僕たちの高校では手に余るほど整った容姿の持ち主だ。
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