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五季はスマホを操作して先ほどの感情を、ダウンロードしたばかりのアプリで開いたようだ。どうやら好意の感情をストーカーかどうか判定するアプリが雑誌の付録としてついていたらしい。
「やっぱりストーカーだね」
僕らは言葉を失った。好感度ランキングの中に紛れ込んだ異物。それは五季華音に対する強すぎるほどの独占欲と保護欲が混ざった感情だ。
「だ、誰の?」五季が絞り出すように言った。
僕は首を振る。
「いや、それはわからないよ」
「先生に言う?」
雨宮の提案に僕は考える。そうした方がいいのだろうか。
「思い当たりある?」僕は五季に訊いた。
「いや、全然。まったくない」五季は強く首を振る。
「最近変なことあったりとかは? 誰かにつけられてるとか、何かもらったとか、変な噂とか」
思い浮かぶストーカー被害を列挙してみる。
「いや、それも全然ないけど」
五季はまったく思い浮かばないと首を振った。
同学年の女子に対するストーキング行為とはどのようなものなのだろう。帰り道に後をつけて家を特定したとかそういったものなのだろうか。それとも本当に犯罪に触れるようなものなのか。
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