忘れもしないあの日

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忘れもしないあの日

「お早う御座います」 微笑みを浮かべながら丁寧に述べられた言葉 僕はそれを忘れない。 あれは、、確か数日前のことだろう。 いつものように生徒会長の僕は校門前で挨拶を返していた。 おはようございます おはようございます おはようございます 毎日それの繰り返し。 だがその日常は変わった。 艶やかな声、丁寧な言動、そして、 向日葵のような、眩しい笑顔。 僕は戸惑って挨拶を止めてしまった。 ふふっ。と、君は笑う。 頬をほんのり赤く染めて いつのまにか学校は終わる。 放課後、僕は朝のあの子を呼び出した。 「名前は?」 突然のことに彼女は驚いている。 「向井、葵です」 向日葵を彷彿とさせるその名前、なんてぴったりな名前なんだ、そう思うと僕は無意識に彼女と目を合わせていた。 我に返った僕は咄嗟に目を逸らし、彼女に一言謝った。 すると彼女は思いもよらない反応をした。 「大丈夫ですよ。生徒会長さん。」 まさか知っているとは思わなかった、生徒会長になってよかった…のかな? なんやかんやあって一緒に帰ることになってしまった… 緊張感で全然喋れない… そして一言も喋らずにその日は終わった。
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