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 「くじらさん! なんですか! それ!」  ユリちゃんはオレに気づくと、食堂脇のベンチをとびおりバタバタとかけてくる。  せっかく着た浴衣が崩れないか心配だ。  「めちゃくちゃ、かわいいですよ!」  かわいい⁉︎  納品だから、て、オレは朧月に、彼の同居人が選んだとゆう甚平を着せられていた。  藍染の海に、裾のところで大きなくじらの頭がのぞいている。  六月二十日、午後十二時。  依頼完了を報告。  「ぼくと一緒に、ホタルを、見にいきましょう」 【おしまい】
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