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『好きな気持ちは変わらないんだけど、付き合ってるのがツラくなってきたの』
数日前に言われた言葉が頭から離れない。
脳内で何度再生されたことだろう。
俺は電話越しに「ごめん」と言うことしか出来なかった。この時に何て答えていたら良かったのか、未だに正解が分からないままだ。
仕事を何とか終わらせて、最終の新幹線に身一つで飛び乗った金曜日。
会社からでも四時間近くかかるので、沙織の住むマンションに着いた時にはとっくに日付が変わっていた。
「遅い時間にごめん。どうしても会いたくなって」
「ううん、疲れてるのに来てくれてありがとう」
いつもとは違う笑い方に、わざと気が付かないふりをする。
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