✝️〜恋〜✝️

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ーチャーリーー視点 チャーリー「アルナくん」 アルナ「何だ?」 僕は、昼休みに教室の窓際の席で読書をしていた、アルナくんに声をかける。 チャーリー「あのさ、アルカくんと最近どう?」 アルナ「は?」 チャーリー「いやいや!別にその、へんな意味じゃなくってあはは」 アルナ「別にどうもしないが?それよりおまえから話しかけるなんて珍しいと思っただけだ」 チャーリー「そうかな?まぁあまり話してはないよね僕たち」 アルナ「話はそれだけか?」 チャーリー「いや!まだあって」 アルナ「?」 早くしろと目で訴えてくる そろそろ……覚悟を決めないとな…… 僕は大きく息を吸い込んでからこう言った チャーリー「えっと、アオくんのことなんだけど」 アルナ「……」 その瞬間アルナくんの目は真っ暗になる チャーリー「えっと、最近……学校に来ないと思ってやけに」 アルナ「たしかに来ないな」 チャーリー「心配だよね」 アルナ「さあな」 チャーリー「え?」 さあ? さあってなんだ?クラスメイトが死んだかもしれないのに……! アルナ「まあお前が心配しているようなことはないと思うぞ」 チャーリー「どうして?」 アルナ「仮にそうなら、教師から報告があるだろ」 チャーリー「それが!!!!」 アルナ「……」 チャーリー「隠蔽工作されているかもしれないんだ」 アルナ「なんでお前が知っているんだ」 チャーリー「それは、見たんだ僕」 アルナ「何を?」 チャーリー「学校で話すことなのかはちょっと」 アルナ「やけに今は人が少ないな」 チャーリー「え?」 たしかにあたりを見渡すと生徒がいない。 アルナくんは確か人があまり居ない時間を狙って読書をしていると言っていた。 アルナくんはニヤリと笑う とても小悪魔的な笑みだ、本当に話しても良いのかわからないような笑みだった。 信じてもらえるかもしれないが…… チャーリー「わかった、話すよ」 アルナくんは机の上に足を置いて堂々と腕を組んだ。誰も居ないのをいいことにだ。 チャーリー「机は……」 アルナ「あ?」 やっぱり……っあまり関わりたくない…… チャーリー「一週間くらい前にアオくんの館の前を偶然通りかかってそしたら窓が真っ赤になっているのを見つけて……」 アルナ「ふーん」 チャーリー「どう考えても、殺人だ」 アルナ「リストカットだとは思わなかったのか?」 チャーリー「リストカットじゃあんなに血は出ないよ……」 アルナ「いや出るぞ」 チャーリー「え?」 アルナ「まぁ仮に他殺だとして何もできないんじゃないか?」 チャーリー「それは、いや出来ることならあるよ」 アルナ「というと?」 チャーリー「アオくんたちを殺した犯人を突き止めるんだ」 僕がそう言った瞬間、目線を自分の膝から、アルナくんに向けるとそこには真剣な目で僕を見つめるアルナくんの瞳があった。 僕はびっくりするてっきり笑われると思っていたから。 アルナ「やめておけ」 でもその声は 低かった ピアノの低音のようにずっしりとしている チャーリー「でも、僕は、突き止めたい」 アルナ「自己中じゃないか?」 チャーリー「え」 たしかにそう言われるとそうかもしれない。 だけど、僕は、それでも アルナくんは僕は言葉を発する前に席を立った。 慌てて視線を横にスライドさせると、教室の扉の前にいた。 チャーリー「どこ行くの?」 アルナ「教えない」 チャーリー「え」 やっぱり流石に引かれたのか……? チャーリー「読書の邪魔してごめん」 論点がズレている気がしたがとりあえず慌てて謝った。 アルナ「さよなら」 ……これからどうしよう…… やりすぎてしまったんだ。 友達だからといって、理解してくれると思っていたけど大間違いだ。 きっと僕のことを、推理小説の世界に憧れている頭のおかしいやつだと思ったに違いない。 このままでは、僕は大事な友達を2人も無くしてしまう。 どうしたら…… もう、 いいか。 僕は、鞄の中に入れてあるノートを机の上に広げる。 沢山の文字と、殺人現場の様子を再現した、絵を見る。 多分犯人は館の中に招かれていることから仲のいい人物に違いない。 使用人とか、いやでも、 使用人がそんなことをする理由はあるのだろうか? 僕には、とてもじゃないが想像つかない。 だとしたら、ほかの人物になる。 思考を張り巡らせるが、 答えには核心にはどれも 惜しいばかりでたどり着けない。 不意に肩に手の感触がした。 僕は慌てて飛び跳ねる。 その手の正体は、 刹那くんだ。 刹那くんは自分の手のひらを見つめて、 ニヤニヤしていた。 刹那「そんな顔してどうしたの?何かあったの?」 とても意地の悪い顔をしていて、 見ているこちらが不快になる。 今はそれどころじゃないのに。 僕は、関わりたくなさげに、 声を下がらせていった。 チャーリー「今忙しいんだ話なら後にして」 僕が、 珍しく不機嫌だから 刹那くんは、頭にはてなマークをつけたまま 不思議そうにしている。 悪いけど時間が惜しいんだよね。 それに、刹那くんはなんだか信用できないし 刹那「へー、実はさっきの話聞いてたんだ」 チャーリー「え????」 刹那「盗み聞きする趣味はなかったんだけどね!」 ごめんごめんと手を左右に振る。 とても、誤っているやつの態度じゃない。 けどそんなことはどうでもよくって チャーリー「どこまで聞いてたの?」 刹那「え、隠蔽がどうとかの辺りから」 チャーリー「全部じゃん!!!」 アッハハと、棒読みで表情は愉快そうに笑う 刹那くんに全てを知られたということだ この世の終わりに近い。 チャーリー「あのさ、関わらないで」 刹那「やけに冷たいね?」 チャーリー「本当にごめん刹那くんのことは信用できないんだ僕」 刹那「そりゃあまあ薄々気づいてたけどー」 チャーリー「なんなのさっきから」 段々苛々してきた。 チャーリー「僕もう学校休む」 刹那「そのノートの中身見せてくれない?」 手のひらを差し出してずいずいとこちらに 歩み寄ってくる やばい……! 僕は、急いで教室から出た。 ハアハア。流石にここまでくれば追ってこない だろ 僕は家の前で、ゼエゼエ、情けなく息を吐いていた。 チャーリー(それにしても、なんであの日アオくんの態度が変だったんだろ) 部屋の机の上で、 ノートを見てそう思う。 僕はあの日、アオくんの様子がおかしかった 辺りから ノートを書いていた。 刹那くんはその時も、 馬鹿にした態度を取ってたけど。 もしかして、あの後刹那くんが家に行って、 ……いやでもこれも殺人動機がないな。 ダメだ、 やっぱり アオくんが殺される動機がない。 いじめられてもいなかったと思うし。 もしかして、家族とかその辺だろうか? いやそれもないな 何故なら僕は、実は アオくんとは仲が良い方で結構な頻度でアオくんの 家族に会わせてもらっていたんだ 見た感じとても人の良さそうな人だった。 殺人なんてありえない。 だとしたら、やっぱり使用人だろうか? あの人たちとも会ったことがもちろんあるのだが、 なんというか不気味な人たちばかりだったというか 生気が感じられなかった。 サイコパスによくある特徴らしい。 目が死んでいて、発言も突発的なものが多い。 もしかしたらあるかもしれない。 何なりの根拠にたしか、 アオくんの家の家族は帰りが遅いらしく、 朝に帰ってくることが頻繁にあるらしい その日は確かまだ早い時間帯の8時半だ。 つまり家族がやったというのは考えにくい。 だとすると動機は不明確だが、使用人を疑うのが、 一番自然な気がする。 だとして、動機は…なんだ? 他殺に見せかけて仕事を辞めるとかは、 馬鹿馬鹿しいし それなら普通に退職すればいいだけの話だ。 恨みがあったというのが一番しっくりくる。 ここまでで僕は大きく深いため息をついた。 なんて悲惨な事件なんだ。 これではアオくんが報われない。 せめて犯人を捕まえなければ。 でも、疑問なのが、だとしたら何でブラウンまで 学校に来なくなったんだろう? ブラウンも同じ使用人に 殺されてしまったのだろうか? いやでも、動機がわからない。 口止めのため… 僕はノートを勢いよく閉じて急いで警察署に 向かった。 夜の街中は冷え切っていてとても寒い。 雪が降っていた。 チャーリー「あの、すみません」 交番を見つけて、 警察の人に声をかける。 警察「どうしたんだい?子供がこんな時間に」 チャーリー「あの、殺人が起きたんです」 警察「なんだって?」 口に手を当てている。 肩がカタカタ震えている。 チャーリー「あの、本当です」 ついカッとなって声を荒げてしまう。 チャーリー「はっ」 警察「もう遅い時間だから帰った帰った」 しっしっと追い返されてしまう。 チャーリー「あの、本当に!!」 チャーリー「うわ!!」 急に体を持ち上げられる。 何で信じてくれないんだ? そしてあっという間に、 家の近くに来ていた。 チャーリー「……」 警察「さもう子供は帰って寝なさい」 チャーリー「……本当なのに」 無意識に口から漏れていた。 警察「もう今日は寝るんだよ推理小説見てないで」 チャーリー「っ!!!」 拳を強く握りしめる。 ダメだこいつ 何を言っても聞かない。 僕は諦めて家の中に入った。 こんなはずじゃなかった。 自室のベッドにボスッと埋めて、 強くシーツを握る。 目からとめどなく涙が溢れてくる。 不意に目に留まったのは本棚。 敷き詰められた、沢山の推理小説。 無意識に、本に、 手を伸ばしていた。 表紙をに視線をおとすと、 それは、 僕が推理小説の中でも気に入っていた一冊だった。 ページをめくる。 そこには、堂々とした推理で、華麗に犯人を捕まえてみせる、名探偵の姿がありありと描かれていた。 僕には、無縁の世界だ。 呆然と、見ている。 無意識にページをめくっていたようで、 いつのまにか 第二章まで進んでいた。 読む手は止まらなかった。 ーー それから かなり経った。 僕は、いつのまにか眠ってしまったようで 椅子の上にいた。 チャーリー「僕もこんな風になれたら」 涙が滲んできて、自分の手で涙を拭く。 警察にあんな対応をとられてしまっては、 犯人を捕まえることなどできない。 どうしたら? 僕は!友達の無念を晴らしたいだけなのに!! 目線を下に向けたまま硬直する いつのまにか、 沢山の推理小説が自分の足元に 乱雑に放置されていた。 部屋中を埋め尽くしている。 僕は、その本を踏みながら、 ベッドの上は行った。 こんな憧れなんか捨てないとな。 燃やしてしまおうか この家ごと。 『キャー!!!!!』 「っ!!!!!」 耳をつんざくような悲鳴が外から聞こえた。 チャーリー「事件だ!」 僕は、すぐさま、家の外に出る。 女の人が血まみれで倒れていた、 なんてことはなく 西洋のドレスを捲り上げていた。 なっ……?! 僕は、慌てて女の人に状況を聞く。 女「いきなり、男の人が後ろからスカートに手を当ててきて、」 チャーリー「スカート?」 スカートに視線を移すと たしかにスカートがギザギザに切られていた。 チャーリー「避けたから切り損ねたのでしょうね」 女「ですよね!まぁなんて恐ろしい」 女は恐怖で顔を真っ青にする。 チャーリー「そいつはどこに行きましたか?」 女「あっちの方へ走って行きましたわ」 チャーリー「ありがとうございます」 僕は慌てて女の人が、 指をさした方角に向かう。 女「貴方もしかして探偵さん?」 チャーリー「ええ、まぁ、そんなところです」 自身を持って言えないけど、 そうなりたいのは、 今でも変わらないから、 女「そう、なら気をつけるのよ怪人は探偵が嫌いだから」 チャーリー「そんなの当たり前じゃないですか死にませんよ名探偵は」 僕は、急いで怪人が待っているであろう場所に行く 。 そこは、プールだ。 チャーリー「プール?」 なんでこんなところに来たんだ? 僕は、中を、慎重に確認する。 プチャプチャと、音がする。 何かが浮いている音。 チャーリー「まさか」 ドアをガンガンと、無意識に叩いてしまう。 ?「誰かいるのか!」 とても好印象な好青年の声がする。 こいつが、犯人? 僕はゴミ箱に隠れる。 ?「隠れたのか」 ……!!!!! 見つかった? いやでも場所さえバレなければ。 バレることの恐怖で、体が震える。 息も荒くなる。 鼓動が聞こえてしまいそうな程に早い。 かつかつと近くまで音が聞こえる。 ……思ったよりもやはり若い男だ。 使用人で間違いなかった。 そう、この声を聞いたことがある。 この声は確か、 エルリック! 確か、使用人の中でも一番偉かったはず。 いつも身の回りの世話をしていた。 チャーリー「……はっ」 つい吐息を漏らしてしまう。 その微かな音でも感じとり 男は、こちらに向かってきた。 チャーリー「っ!!!」 ゴミ箱から飛び出す。 男「っ!」 僕は慌てて、 その場から逃げ出した。 チャーリー「ハアハア」 流石にもう、追ってこないだろう。 交番の前まで来た。 流石にもう通報しても、いいだろう。 そうだまてよ。 そうだよ、最初からそうすればよかった。 あの女の人に来て貰えば。 僕は、その場で落胆した。 あたりを見渡すけど、 白い雪が鬱陶しく降り積もっているばかりで、別段他と違うことはない。 今は深夜で人はうろついていない。 チャーリー「もういいや」 もう……いい アルナ「何しているだ?こんなところで」 チャーリー「アルナ!」 知っている声が聞こえて大きく反応すると、 それは、アルナだった。 アルナ「ついに、頭がいかれたのか?」 言葉はキツいが僕のことを心配してくれているみたいだ。 チャーリー「それが、」 そこまででいうのをためらった。 アルナの目は心配はしてくれている そう、してくれてはいるのだ だけど、 それと同時に呆れという感情を含んだ目をしていた。 また、馬鹿にされる。 そもそも学校でももう馬鹿にされたばかりだった。 なら言っても信じてもらえるわけないし。 チャーリー「なんでもない」 アルナ「なんでもないわけないだろ」 殺人事件を解明しようとしてただなんて言えるわけないだろ。 僕は、息が苦しくて、語尾がきつくなると思ったから、早めに切り上げようと思って、 チャーリー「本当に何もないから!アルナには関係ない!」 と、破茶滅茶な事を言ってその場から逃げた。 後ろから声が聞こえるけど、構わず家の前まで、走ってった。 チャーリー「ただいま」 家の中はシーンとしていて、声が返ってこない。 僕は、寂しくって何時も本を読んでいた。 次第に本の中に憧れを持つようになって、 それからかな 名探偵になりたいと思ったんだ。 ちやほやされる存在のメタファーだから、 僕は寂しかったんだと思う。 それなのに、解き明かせないなら ちやほやされるはずない。 僕は、ベッドにうつ伏せになったまま 涙が流す。 どうして 僕が子供だから? 親がいないから? どれもピンとこなくて、 考えるのをやめた いつのまにか眠っていて、 目を開けると陽の光が眩しくて 袖で視界を防ぐ。 チャーリー「学校行きたくないな」 もしかしたら、 アオくんたちもこんな気持ちなのかも 殺人事件じゃない それなら解明しようとしなくていい ノートを破いた。 それをそのまま暖炉にいれた。 ボッー 燃えていてとても綺麗だった。 それをじっーと見つめていたら 涙が唐突に溢れてきた。 夢が破れる瞬間。 心の積み木が崩れるような気持ちになっていたんだ。 チャーリー視点 (回路編) 完
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