モラハラ夫の場合。

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モラハラ夫の場合。

「お前は専業主婦だろ!なんで飯が出来てないんだよ!」 あーまただ。また始まった。 このように言ってくるのは私の夫の佐藤勝(さとうまさる)。 そして私は佐藤一美(さとうかずみ)。 旦那が帰って来る時間に合わせてご飯を作っていた時に帰ってこられこの有様。 「しょうがないでしょ。悪阻が酷いんだから。」 「専業主婦のくせしてそんな言い訳が通用すると思ってるのか!」 「言い訳も何も実際に体がしんどいの。」 「じゃあお前は1日何してたって言うんだよ!」 あー段々と声のボリュームが上がってきた。 「それは朝起きてからずっとしんどいから洗濯物だけ済ませて体休めてたの。」 「は?お前は何様だよ。俺が金稼いでやってる時にお前はずっとダラダラと過ごしてたって言うのかよ。」 あっ危ない。噴き出しそうになる味噌汁のガスをあわてて止めると 「おい、聞いてんのかよ。無視するな。」 なんて言われる始末。 「ちょっと待ってよ…ご飯作らないと…」 と食材は切り終えたので炒めようとフライパンに触れると 「お前は飯もろくに作れないくせに話す事も出来んのか」 と言いながらリビングから出て行ったあの人。 もうどうしてこんな風になっちゃったの?
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