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――かなり前から、ピクリともしない右側にいる男に、気づいていた。
最初は自然に起きてくるのを待つあまり、叫ぶように話していたが、
一向に起きる気配もなく、むしろ吐息すら聞こえ始めたので、仕方なく呆れ顔で右側にいる、ピクリともしない中二病のような痛々しい服装の男に尋ねる。
「…あの、創造主デューク様、聞いておられるのですか?」
「え、聞いてるけど?」
デュークと呼ばれた金髪、猫っ毛な男がそう言うと、顔を上げる。
すぐに返事が返ってきたのは意外で、寝ていなかったのかと一瞬考えたが――。
「嘘つけ、やっぱ寝てましたよね!
頬に盛大なよだれついてますよ!」
「げ、やべ」
デュークが慌ててよだれを拭く姿を見ながら、ギルバートは心の中で思う。
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