一話 デューク人間界へ行く

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――かなり前から、ピクリともしない右側にいる男に、気づいていた。 最初は自然に起きてくるのを待つあまり、叫ぶように話していたが、 一向に起きる気配もなく、むしろ吐息すら聞こえ始めたので、仕方なく呆れ顔で右側にいる、ピクリともしない中二病のような痛々しい服装の男に尋ねる。 「…あの、創造主デューク様、聞いておられるのですか?」 「え、聞いてるけど?」 デュークと呼ばれた金髪、猫っ毛な男がそう言うと、顔を上げる。 すぐに返事が返ってきたのは意外で、寝ていなかったのかと一瞬考えたが――。 「嘘つけ、やっぱ寝てましたよね! 頬に盛大なよだれついてますよ!」 「げ、やべ」 デュークが慌ててよだれを拭く姿を見ながら、ギルバートは心の中で思う。
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