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第六話 同期のブラッド
「あいつがお前の同期だと?」
デュークが唇を尖らせながら訝しげに、そばにいた付き人であるギルバートに耳打ちする。
――――――――――――――
主の更新が遅くなったため、この前の展開を忘れてる人もいると思うので説明しよう!!
場面は、掃除をしている最中、アパートの住人、琴音の想い人ブラッドが現れ、ギルバートが同期だったと話したことがきっかけで、今に至る!!
追記)コメント、いいね待ってます!!
――――――――――――――
「……お前、天界の人間だよな?
こんなとこに同期がいちゃ、世界観崩壊するだろ」
「私だって信じたくないですよ…!」
デュークの問いに、ギルバートが少しムキになって答える。
「でも、目の前にあいつがいるんですもん!
あの人畜無害そうな顔は、絶対ブラッド――」
「どっちでもいいので、静かにしてください…!」
気づかれたくない琴音は、顔を真っ赤にしながらアパートの陰から小さく叫んだ。
「人違いだ、ギルバート。こんなところに知り合いがいるわけがない。
だいたい、ブラッドブラッド(血)って、何かの呪文かぁ?
どうも厨二臭い名前だな」
「……デューク(公爵)様もじゃないですか。
それより、どうです? 魔界殺しのブラッドなら、聞き覚えありません?」
「……。
散々聞いたことのある気がするが――」
「まあ、私としては、このままやり過ごしたい気持ちですが。……散々、お世話になったので」
「世話に――?」
「僕に何か御用ですか?」
いつの間にか、目の前にブラッド本人がにこやかな笑顔で立っていた。
「何だか視線を感じたような気がしたので、話しかけたんですが……」
「げ、ブラッド……」
目の前の男がギルバートだと気がつくと、少しだけ驚いたような顔をする。
「って、あれ?
ギルバート………………に、へっぽこの創造――」
「ひっさしぶりだなぁ!!!ブラッドぉ!!」
へっぽこの創造主、と言うのを防ぐようにギルバートが大きな声を出す。めざとく、デュークが少し眉を顰めた。
「今、何やら聞こえそうになった気が――」
「気のせいじゃないですかね!!創造主様!!」
「え? 創造主様って、お前、様付けで呼んでんの?どう考えても――」
また良くないことを言いそうになるブラッドに間髪入れずに向き直るギルバート。
「久々の再会につもり話もあるし!! ちょっと、一瞬来てもらってもいいかぁ? ブラッドぉ!」
と、凄まじい馬鹿力で角を曲がった先の公園に、引き摺るようにブラッドを連れて移動していった。
「え?え?」
急な展開について行けず、琴音はパニック気味に、アパートの陰からようやく姿を現した。
ことの成り行きを見守っていたガクも、状況を飲み込めずに、ギルバートたちが曲がった角を見ながら呟く。
「…まさか本当にオトモダチだったなんて。
雰囲気からして、絶対絡みない人種だと思ったのに。
――やっぱ、あの人、謎だなぁ」
ガクが含んだ様子で目を細めていると、突然デュークが「ああ!」と、大声を上げる。
「どうかしたんすか? 創造主さん、大声出して。」
「思い出したぜ…あの男のこと!
ブラッドは、ギルバートの前に来た使用人だった!!」
「? 使用人?
なんかよくわかんないんすけど、ギルバートさんとは同期だったんすよね?」
「いいや。卒業したのが同じ時期だっただけで、本当の同期じゃないさ。あの男は1回出戻りしてるんだ。
――今はハデスの元だが、1回目は俺の元でな」
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