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「訳が分からない……どうせ自作自演なんだろ⁈」
どうせ何もかも全部、ドッキリか何かなんだろ⁈ 俺を驚かす為にみんなで仕掛けてるんだろ⁈ いいさ、電話して今すぐお前たちの魂胆を探ってやるよ。
興奮して額に汗を滲ませた賢吾は、拓真に電話を掛けた。『拓真は殺人を犯すような奴じゃない』という期待を込めて通話ボタンを押すと、呼び出し音が鳴り始める前にあの文章が再び頭を過った。
『ユキとヤスが何者かに殺されたって、二人の親から連絡があった』
ちょっと待て。
そうか……拓真から送られてきたメッセージに違和感を覚えた理由が分かった。
ユキとヤスの名前を『由貴子』『康成』と呼んでいるのは五人の中で唯一、拓真だけだ。この文章を書いたのは、本当に拓真なのだろうか――?
呆然とくうを見つめながら、プルルルという呼び出し音を聞いている賢吾。背後でその音と重なるように鳴るヴーヴーという音に気付くと同時に、背骨に鋭利な硝子が食い込んできたような激痛が全身を突き抜けた。
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