同窓会

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 何か続報があるのかと急いでメッセージを開いた賢吾は、喉の奥底から込み上げてくる物を必死で抑え込んだ。しかし、添付されている二枚の画像を見た途端、口元を手で押さえながらトイレへ駆け込まざるをえなかった。  一瞬しか見ていないものの、背中に『し』と刻まれた女性と、腹に『あ』と刻まれた男性の無惨な姿が脳裏に焼き付いて離れない。胃の中のものを吐き切った賢吾は、ふらふらと床に座り込んで頭を抱え込んだ。  計四人となった被害者に刻まれた『こ』『ろ』『し』『あ』の四文字。犯人は一体、何を伝えようとしているのか。考えられるのは『ころしあい』や『ころしあえ』――殺人を快楽だと思っている狂人が、俺たちに『殺し合え』とでも言っているのか……?  様々な考えが渦巻く中、ある疑念が稲妻のように全身を貫いた。  拓真はなぜ、目を背けたくなるような遺体の写真をわざわざ送ってくるんだ? そもそも、なぜ何枚も遺体の写真を持っているんだ――?
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