7人が本棚に入れています
本棚に追加
『ユキとヤスが何者かに殺されたって、二人の親から連絡があった』と書いてあって画像が添えられていたが、わざわざ子供の遺体の画像を送るような親がいるのだろうか? よくよく考えてみると何か変だ。
目をギュッと瞑っていると突然、賢吾の脳裏に最悪なシナリオが思い浮かんだ。その瞬間、背筋を冷たい汗が一筋の線を描いて流れた。
「――菜実!!」
トイレの扉を勢いよく開き、急いでベッドへ向かうと菜実が心配そうな視線を向けてきた。
「菜実、もしかして拓真から変なメールきてないか⁈ 拓真に、今ここにいる事を教えたりしてないか⁈」
不安と心配する気持ちが入り混じり、華奢な両肩をギュッと掴む指先に力が入ってしまう。もしあの日、拓真が皆の目を盗んで菜実の携帯電話にGPS機能を入れていたとしたら。もし今、菜実の居場所を聞いて殺そうとしていたとしたら――。
最初のコメントを投稿しよう!