1. 助っ人

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カノンさんと勘違いしていた早とちりの私だけど、南田さんの『話さない』と言ってくれた誠意を信じたい。 遅かれ早かれ、そんなことが起こるだろうと予想していたことがその朝、現実に起こった。 「おはよう。また、会いましたね」 その声に振り返る。 声の主を見ても前回ほどの驚きと気まずさはなかった。 南田さんはきちんとスーツを着て笑顔で立っていた。 恐らく、彼は礼儀正しい人なのだと素直に解釈する。 とはいえ、また何もご丁寧に私に声をかけてこなくても良さそうなものなのに。 見かけても知らん顔をしてくれれば良いのに。 それは私側の勝手な都合なのだけど。
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