真夏の夜の秘密

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真夏の夜の秘密

あれは1年前、真夏の夜の出来事だった。 私は、路線バスの運転士をしている。入社して15年。社内では中堅クラスと言われる年数である。 その日は週末の金曜日、22:10駅発、団地行の最終バスを運行した時だった。 週明け月曜日からは、ダイヤ改正が行われ、この最終バスの時間は無くなり、21:15が最終になる。なのでこの時間の最終バスはこの日が最後と言うことになる。 定刻通りに発車し、終点の団地へと運行した。駅を出て3つ目の住宅前バス停で、事故があったらしく少し渋滞していた。バス停に近づくにつれて、何となくだが事故の内容が分かった。トラックがもろに、バス停に突っ込んだ形で停車しており、恐らく居眠りかなんかで突っ込んだのだろうと推測した。周りには消防と救急車、それにパトカーが数台駆け付けて居たが、怪我人が居るかどうかまでは分からなかった。バス停には乗りそうな客も居なく、降りる客も居なかったので、そのまま通過した。 団地には事故渋滞に巻き込まれた分、定刻22:30より10分遅れで到着した。
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