真夏の夜の秘密

2/6
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
最終の駅への折り返しが22:45なので、時間には遅れずに発車は出来たが、ゆっくりする時間も無く折り返す事となった。 内心「どうせまた、渋滞に引っかかって遅れるだろう」と思いながら諦めて運行した。 駅へは行きと同じ位の10分遅れで到着した。その日の運行はこれで終わりで、車庫への回送となった。しかし、車庫へ帰る回送ルートも、事故現場を通らなければならない為、今日は予定の退社時間より、遅くなってしまうなぁとがっかりムードで車庫へ向かった。 事故現場の住宅前バス停の手前で、今度は通行止になっており、迂回させられた。車庫へは更に遠回りになる為、その分退社も遅くなる事となった。 車庫に帰庫後、終了点呼時に運行管理者に報告をした。 「通行止って事は、もしかしたら死亡事故になってしまったのかもね」 「恐らくそうでしょうね。トラックの運転手が亡くなったんですかねぇ?」 「まぁそうだろうね。気の毒な話だ」 この日は結局、予定退社時間よりも1時間近く遅れて、退社した。 あれから1年が過ぎた頃、ある噂話を仲間から聞いた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!