真夏の夜の秘密

21:15駅発、団地行の最終バスがあるダイヤを週末の金曜日に運行すると、折返して駅に着いて、回送で車庫に帰る時、必ず住宅前バス停に20代後半位の女性が立ってると言う。だが、もうその時間には運行してるバスは無く、こっちは回送バスなので乗せることは出来ないので、そのまま素通りしてると言う。ダイヤ改正前であれば、住宅前バス停に最終バスが来るのだが、改正後はその時間は回送のバスしか通らないのだ。まさか気付かない訳では無いだろう。バス停には時刻表だって貼ってある。別にバスを待ってるとは限らないしと思って、その話は忘れてしまっていた。
そして数日後の週末金曜日。私に、そのダイヤが回った来た。最初は全然気付いていなかったが、21:15駅発、団地行を運行する前に、噂話を思い出した。
まさか居るわけ無いよなと思っていたが、何となく気にはなっていた。そして、駅に定刻に到着し、回送で車庫へと向かった。
住宅前バス停に近づいた時、少し遠目だがバス停を見た。暗くてハッキリとは分からないが、何となく人が立ってるように見えた。「まさか」と思いバス停に着く手前でハッキリと、女の人が立ってるのが分かった。