真夏の夜の秘密

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「私は誰にも何も言いません」それを聞いて私は乗せることにした。行き先は終点の団地だと言った。 終始無言のままバスは団地に到着した。前扉を開けたが女性は降りてこない。 「あの、到着しましたよ!」寝ちゃったかな?と思い後ろへ振り向いて見たが、車内には誰も乗っていなかった。 私は鳥肌がたち、もう一度良く車内を見渡した。すると前扉の外から声がした。 「ありがとうございました!本当に助かりました!」 女性はいつの間にかバスの外に居た。だが、降りた形跡など全く無かった。女性は続けて言った。 「なんとか帰ってくる事が出来ました。1年も掛かってしまいましたが」そして、女性は深々とお辞儀をして、そのままの体制でスッと消えてしまった。 私は不思議と恐怖を感じなかった。 私は、そのまま車庫へ回送しようとバスを出した。すると左前方の方で、女性が笑顔でこちらに会釈をした。私も、軽く会釈をして、その場を後にした。 その日を境に、住宅前バス停で女性を見たと言う者は居なかった。 私は去年の住宅前バス停の事故を詳しく調べてみた。
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