《7》 告っちゃうよ

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《7》 告っちゃうよ

「佐咲くん」  唯が、胸に手を当てながら話しかける。 「さっき言ったこと、わたしも同感だよ。運命は個人が頑張っても覆らない。でもさ、同じ気持ちの二人が手を取り合えば、良い運命も悪い運命も絆に変えられるんじゃないかな。二人なら、それができるんじゃないのかな」  エッ、と目を見開いた佐咲は、彼女が何を言いたいのか分からなかった。しかし彼女は、やはり向日葵みたいに微笑んで言った。 「過度な俺様は好きじゃない。けど、適度な俺様は嫌いじゃない。ちゃんとわたしと色々なことを話し合えるなら、喜びも、哀しみも、寂しさも、つらさも、全部二人で分け合えるなら、わたしの方から告白したい。だってわたしは……、」  すぅっと息を吸い、唯は強く()った。 「佐咲くんのこと、ずっとずっと、好きだったから!」
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