8月2日は、パンツの日のようですが2022。

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 ちなみ翔琉は、起きているときでしか下着は身につけない。 ストレスフリーのためである。  だからこそ、翔琉が下着をつけている朝は仕事をしている時のみ──つまり下腹部がのときしか身につけていない。  当然いま、この瞬間も裸族である。  日々の習慣は、完全に寝落ちする直前でも有効だったらしい。  無自覚の行動に感謝しつつも、朝から新鮮な蜜をたっぷりと精製している我が熱雄の雄ぶりに、苦笑するしかなかった。  生理現象ということもあるが、理由がそれだけではないのは確実だ。  だからこそ、翔琉の顔は自然とニヤニヤしてしまう。 「へえ。もしかして颯斗クンは、朝のご無体なアレをバニーに無理やり納めたのか」 どれどれ、とベッドに腰かけたまま颯斗へ近づき、品定めするように兎の尻尾を凝視した。 「見ないでくだい」 震える様は、まさに兎のようだ。  分かりきっていたとはいえ、颯斗のことがかわいくて、かわいくて、食べちゃいたくなる。 「いや、普通に見るだろ」  当然とばかりに主張した。 「かわいい恋人がせっかく貴重な姿をしているんだから。なあ、兎さん?」 さすがに恋人同士とはいえ、セクハラ行為はしたくない。  だが、せっかくのチャンスだ。  続けて翔琉はそう言うと、前を掴んでいた颯斗の手を優しくほどき、両手を大きく広げてとびきりの笑顔で迎え入れた。 恥じらう颯斗は、上目遣いで翔琉を見つめる。  なにか言いたそうな目だ。 「……だって、俺へのお土産だって、言うから……やっぱり嬉しい、じゃないですか」 吸い寄せられるように、颯斗自ら腕のなかへ捉われにやってきた。  理性と本能の天秤があっという間に片側へと大きく傾く。   「昨日が八月二日で、パンツの日であって、でもバニーの日でもあって、それで今日はハチミツの日だって……」  颯斗を優しく抱きしめ、一言ひとことに耳を傾けながら、うんうんと大きく頷いた。  互いの熱がゼロ距離であることは、この際触れないようにする。  だが──。 「ハチミツ、じゃないですけれど……お互いの、もうぬるぬるになっちゃいました、ね?」  張り出た翔琉の先端から、とろりとした白色の蜜を颯斗は掬いとると、ぺろりと舐めた。  途端、翔琉はロックオンされてしまう。 「颯斗」  小悪魔バニーで誘惑してくるけしからん恋人の名を、残り少なの理性で声低く呼んだ。  びくんと、パンツを履いている主の動きに合わせて白い尻尾も跳ねた。  かわいい。  思わず息を呑む。  ああ、朝からダメだ。  いや、颯斗と再会したときからダメだ。  違うな。  颯斗と出逢ったときから、翔琉はダメ人間だったんだ。  だから。 「──悪いが、俺が帰国している間は毎日、パンツの日で、ハニーの日で、ハチミツの日だからな。つまりこれから颯斗を抱く。朝も夜もなく颯斗をめちゃくちゃ抱いて、二ヵ月分、いや一生分抱きつぶすからそのつもりでいてくれ」  颯斗の返事を待つことなく、こうして翔琉は日本へいる間、本当にめちゃくちゃ抱きつぶした。  ちなみにバニーパンツの行方だが、翔琉がめちゃくちゃ颯斗を抱いたせいで、あっけなくその寿命は終わりを遂げた。  なお、使用方法に関しては詮索してはならない。  妄想は可。  二〇二二年夏、パンツの日から始まった二人の甘く激しい束の間の逢瀬であった。     END ※次のページからは、某テレビ局の一日がかりで開催されたチャリティ番組に触発され(むしろ見ながら)書いた、オメガバ設定龍ヶ崎家のお話が始まります。
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