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淫猥な音がベッドルームに充ちる。
「子ども、たちに聴こえたら……どうする、んですかぁ」
荒い呼吸に交じり、濡れた声で散り散りに颯斗は訴えた。
向かい合ったままでの交合は何回目だろうか。
「どうせ聴こえてるんだから開き直れ。むしろあいつら知っているぞ」
「え! そんなことあるわけないじゃないですか」
驚愕してぎゅっと長大なアルファを締めつける。
条件反射だ。
低く翔琉は唸って、また最奥がぐずぐずに熱く蕩け出していく。
ノットのせいで、颯斗から抜けないようになっているのもあるが、翔琉の熱雄には終了という言葉がないようだ。
数えきれないほど、挿入したまま達し続けている。
颯斗の身体のほとんどが、翔琉の放ったものでできているような感覚がした。
抑制剤を飲んでいなかったら間違いなく孕んでいただろう。
下腹部が膨れるほど注ぎ込まれた颯斗は、乱れすぎた情事の跡が色濃く残るシーツへ全身をぐったり預けた。
「そろそろ終わりにするか?」
艶めかしい蜜音を立てながら、翔琉の熱がずちゅ、ずちゅとゆっくり颯斗から抜けていく。
声すらも上げられないほどの力を奪われた颯斗は、その長大な喪失感と快感に、びくんびくんと都度全身が揺れる。
いきっぱなしは疲れるが、運命の番にのみ反応する身体と甘い疲労感は悪くない。
「まだ……抜かないでください」
無意識に口にしていた。
そんなことを口にしたら、永遠に終わりが来ないことくらいわかっているのに。
いや、終わりがなくていいのだ。
だとしたら翔琉もハリウッドへ戻ることなく、ずっと颯斗の傍に、家族の傍にいてくれるのだから──。
「いや、行かないでください」
「久しぶりに颯斗に逢ったんだから、挿入れたまま待てができるほど紳士的にはいられないな」
真剣な声色で告げる翔琉の「イく」と颯斗の「行く」の意味が合致せず、力なく笑った。
「違いますよ。翔琉はイっていいんです。でも、行かないでほしいんです」
抜ける寸前まで熱雄を引き抜いていた翔琉は、黙って颯斗の話に耳を傾けているようだ。
ふたたびゆっくり萎えることのない雄をなかへ納めると、横たわっていた颯斗の身体を抱き起し、繋がったまま部屋のなかを移動した。
「はっ、え、なんでぇ、あっ……あああ……」
硬いものが歩くたび、襞の奥を犯す。
抉るような深い快感に、全身から嬌声が迸るように上がる。
出すものなどなにもない颯斗の熱雄はそれでも勃ち上がり、翔琉で刺激されるのを歓喜した。
揺すぶられるような繋がり方に、どうしてと困惑する。
すると、部屋の片隅に放り出されていた最新モデルのバムバッグから携帯電話を取り出し、利き手で颯斗を支えながらどこかへかけ始めた。
え、と颯斗は思った。
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