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滴る雄蜜を今すぐ舌のうえで転がし、すべて味わい尽くしたい。
だが、パンツをあるべき場所まで上げ、その外観を愛でるところまでが「パンツの日」のミッションだ。
まずはミッションコンプリートを目指し、全力を尽くすのが最優先事項であるはず。
目先の欲に捕らわれるあまり、本来の目的が達成できなかったなんて、龍ヶ崎翔琉としてあるまじき行為だ。
落ち着いてひとつ深呼吸をすると、肌触りのよいシルク生地の両端をつかみ、発奮した颯斗の膨らみの下まで一気にビキニを引き上げた。
がくがくと颯斗が膝を震わせている。
煩悩と闘っている翔琉の眼前に、甘い蜜を垂らした切っ先がちらつく。
喉がごくりと上下し、無意識に翔琉は唇をきつく噛み締めた。
「……翔琉?」
名前を呼ばれ見上げると、煽情的な顔をした颯斗がたわむ熱雄のうえから、心配そうに見下ろしていた。
まるでオーシャンビューだ。などと、意味の分からない言葉が頭をよぎる。
それだけ颯斗不足だったのかもしれない。
自身へそう言い訳したところで、颯斗が自ら腰を突き出してきた。
舐めてほしいと言わんばかりに。
「これ、は……?」
瞠目していると、颯斗は恥ずかしそうに自身のぬるりとした熱の切っ先を翔琉の口唇へと押し充てた。
衝撃である。
颯斗からそんなことをしてくるなんて。
だったらこれは、こちらから仕掛けてもいいという合図なのだろうか。
都合よく解釈し、行き来したまま留まっていた颯斗の切っ先をぱくりと口腔内へ迎え入れた。
「……ぁっ」
悲鳴のような甘い声が颯斗の口から洩れる。
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