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瞬間、翔琉のなかで何かがはじけ飛ぶような音がした。
夢中になって颯斗の熱雄を頬張る。
張りのある双珠を手で弄りながら、口のなかで熱くなった颯斗をたしかめるように舌を這わせていく。
「あっ……あああっ……ぁ、そこ、ダ、メ……ですっ」
セットされた髪に颯斗の両手が触れた。舌の動きに合わせてその手に力が込められた。
感じてくれているのだと知ると、よけい悦ばせたくなってしまう。
颯斗、限定で──。
調子に乗り、熱雄に這う血道を舌で辿る。
「……あっ……か、ける……でちゃ……だめ……」
グレーの瞳で改めて状況を窺い知ると、本人の言う通り限界は近そうだ。
びくんと跳ねるようにひとまわり大きくなった颯斗の熱は、翔琉の口腔内の温度しか知らない。
「出していい」
願わくば、この立派な雄は翔琉以外の温度を一生知らないでいてほしい。
いや、そうならないように今後も翔琉が全力で阻止するつもりであるが。
颯斗のはじめてが、恋した相手が自分で本当によかったと思う。
どうか、他がいいなんて気がつかないでくれ。
翔琉が不安がっているとは、きっとつゆほども颯斗は思わないだろう。
だからつい、意地悪という名の颯斗のウィークポイントを攻め立ててしまう。
翔琉だけが颯斗へ与えられる最上の快感だ。
「も、本当にダ、メで、す……」
案の定、颯斗は懇願しながらぽろぽろと生理的な涙を溢していた。
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