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「ね、かけ、る……顔離し、て……」
両手で翔琉の顔を引き剥がそうとするが、かえってそれが刺激となり、より熱雄を膨張させてしまう。
艶のある煽情的な泣き顔に、たまらなくもっと強い刺激を与えたくなっていた。
颯斗にとって、このご褒美を与えられるのは自分だけなのだと。
彼のなかへ強く、そう刷り込みたくなる。
「口のなか、出したく……なっ……ぁあああ……」
じゅっときつく熱雄の根元を吸い上げると、颯斗の身体が大きくわなないた。
瞬間、いっそう颯斗の雄は膨れ上がり、どぷっと濃い雄の青臭さが翔琉の口腔内へ拡がる。
量が多く、 濃厚だった。
浮気などできない性だと知ってはいるが、独りでも──いや、自分と会うために控えていたのかと思うと、やはりこみ上げてくるものがある。
「飲んじゃダメですってば!」
顔を赤くしながら、颯斗は自身の雄を引き抜こうとした。
だが、翔琉は一滴も無駄にするつもりはなく、颯斗の退出を全力で拒否した。それどころか搾り取るように鈴口のなかを舌でこじ開け、そのすべてを躊躇なく飲み下していく。
舌に残ったしびれた苦味が、翔琉の独占欲を充足する。
「ごちそうさま。美味しかった」
わざと颯斗の視覚へ訴えるように、ゆっくり口腔内から雄を解放していく。
ずるりと抜け出た颯斗は、びくびくと眼前で震えていたが、まだ元気に頭を持ち上げそうな余力は垣間見えた。
「美味しかったじゃないです! 口、ゆすぎましょう!」
慌てて翔琉の両頬を掴んだ颯斗に、飲み下した証拠を見せつけるかの如く、濡れた舌で自身の唇をなぞってみせた。
途端、びくんと颯斗の雄が熱を取り戻していく。
じっとその様子を眺めていた翔琉に、颯斗は「あ」と恥ずかしそうに熱雄を両手で隠した。
瞬間、パンツの日など翔琉にはどうでもよくなってしまう。
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