0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
ここは異世界コールクリンド。モンスターと人間が共に住む世界。人々はモンスターと手を組み、様々な困難に立ち向かう。
ここにもそんなベテランコンビが存在していた。
「キールさん、ご苦労様です」
「うむ。それで状況は」
「はい。野良レッドドラゴンに対して20名の討伐隊員が向かいましたが、未だに連絡が付きません」
「分かった。この山の頂上に奴がいるのか」
「はい」
「分かった。よし、ガル。いくぞ」
キールが両手を合わせて詠唱。地面に円印が広がり、黄色い体表と翼を生やした虎が出てきた。
「いくぞ」
「ガル」
ガルの背中に乗り、一目散に山の頂上へと飛んで行った。
山の頂上には件のレッドドラゴンと倒れている討伐隊の姿があった。
その件のレッドドラゴンは全長3mくらの巨体をしていた。しかし、気になる点があった。
「レッドドラゴンにしては、体表の色が輝いているな。よし、解析だ」
解析とは人にあだなすモンスターと相対したときに行う魔法だ。モンスターの特性と属性を見極めるために行う。
「解析完了。何々、空と炎属性と、何、あともう一つあるのか。」
映し出された解析映像にはでかでかとこう書かれていた。
「幼馴染? 」
よく分からない表記だが、とにかく戦闘開始。
「よし、いこうガル。って、ガル? 」
横に立っていたガルの表情が妙にしおらしくなっていた。まるで、長年会えなかった人に会えたような雰囲気だった。
「おい、ガル、どうした?」
キールはガルに対して解析を開始した。すると、そこにも幼馴染と記されていた。
それを確認したら、ガルとレッドドラゴンは互いに走り出し、互いの体をこすりつけた。
「あ、あー、お二人はそんな関係だったの」
すると解析の結果が次々と追加されていった。
生き別れて15年
「結構会えなかったのか」
最初のコメントを投稿しよう!