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礼拝の前には身を清め、礼拝が終わると彼はまたベッドから起き上がれないままの私に触れた。
“礼拝の合間にこんなことして、神様に怒られないの?”
“いつどんなときも、礼拝の合間だよ。それに、夫婦の間の交わりに制限はないんだ。むしろ、推奨されるくらい。僕にとって香那は、今も未来も諦めないって言ってくれた未来の妻だから”
そう言って口付けた後、耳から首筋に唇を這わせた。今日の陳威はものすごく丁寧な上に、少し意地悪なくらいだった。声が洩れないように唇を噛む私の唇を指で撫でて、押し開く。素直になったらなったで、どこが気持ちよいのか言わないと辞めたり、延々続けたり。
肩で息をしている私の顔を、彼が覗き込む。
“香那の望みを言ってくれないの?”
“え?”
“言って。僕はもう、苦しいくらい待ってるんだ”
押しつけられた熱に、体も顔も一気に熱くなった。
“陳威。・・・威、来て?”
嬉しそうに微笑んで、彼は体を繋げてくれた。
“さっきは夢中だったから。今度は香那をもっと幸せにしてあげたい”
意識が飛びそうになる度に、甘い言葉を掛けられ激しく体を揺すられた。かと思えば、私が求めるまで浅いところをゆっくりと行き来する。長く長く愛されて、彼が次の礼拝の準備をするまで離して貰えなかった。
“今日は香那にずっと触れていたい”
夕方の礼拝を終え、ベッドに近付いてきた彼が枕を抱えた私の髪を撫でながら言った。もう体はきついはずなのに、触れられるともっと触れてほしくなる自分に呆れてしまうくらい。
“夕食は僕が作るよ。その間に香那は、休んだりお風呂に入ったりすれば良いから”
“ごめんね。ありがと”
任せるのが申し訳なくて、体を起こそうとするけど、全身が気だるくて思うように動けなかった。
“香那。1つだけお願いがある”
なぜかまた、陳威は顔を赤くしていた。なんだろう?全く見当がつかなくて布団にくるまったまま問いかけた。
“なあに?”
“夕食の時には、僕が用意した服を着て欲しい。僕たちの信仰では、奥さんは旦那さんのためだけにお洒落するんだ。今のままでも香那は十分すぎるくらい綺麗だけれど、僕のために着飾った香那を見たい。一ヶ月、お互い頑張ったご褒美だよ?”
リボンを掛けた大きな包みを、彼はベッドに置いた。
“開けていい?”
“まだダメ。お風呂の後、これに着替えて出てきて。それまでに僕は食事を作るから”
“ありがとう。すごく嬉しい”
布団ごと私を抱き締めてキスをすると、陳威は、はにかむような笑顔を浮かべた。
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