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1,ここ、女子トイレだよ!
はぁ~。一人で薄暗いトイレの掃除なんて、最悪! 中間テスト前だからって、みんなサボるなんて信じられない!
これが整備委員の宿命か……。だとしても、他の整備委員はどうした!
私の名前は、竹村美咲。中学三年生だ。
(え? みさきって読める? みさって読むんだよ! 覚えときな!)
今、整備委員の私は、一人寂しくトイレ掃除中ですよ! 明日覚悟しとけよ、小島め!
と、薄暗くて誰もいないトイレ……、幽霊とか出たらどうしよう……。そんなこと考えちゃって無駄に威勢よくしていたんだ。こんな時、頼りになる優理ちゃんがいたら良かったのに……。
「はぁ~。」
思わずため息が出てしまう。
「本当、退屈だねぇ。」
突然の男の声に、私は驚いて振り返った。それを見た瞬間、鳥肌が立った。個室のドアから、真っ黒な髪をした一年生位(?)の男子が覗いていたからだ。最低!
「あんたっ何やってんの! この変態! 最低!」
「えっ?」
『えっ』じゃないよ! いや、待てよ、よく見ると、その男子は閉まっているドアから上半身を出している……?
「あんた、どうやってドアにはさまったの……?」
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