ある日突然…

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私の名前は矢沢瞬華  少し前にこの学園に転校して来た高校1年生 ごく一般の普通の家庭で育ってます この学園にいる皆さんとは お顔のキレイさハンサムさとは比べられない ほどの至って普通の顔をしています 身長153cm 体重40kg  …のちょっぴり痩せ型 趣味はピアノ これはたまたま全国1位に何度かなったことがあるからで 他に私が誇れることがこれ以外に何もないんです 学園の敷地が広すぎて 方向音痴の私にはどこに向かえばいいのか さっぱりわからない 迷子になった挙句、2年生のどなたかにお姫様抱っこされて保健室に連れて行ってもらったなんて 記憶もハッキリしていなくて、誠に申し訳ないほど… その時のことをクラスの子達から羨ましがられて 助けてくださった先輩の名前は直ぐにわかったから それはそれでお礼を言いに行くことができるからよかったのだけれど みんながあまりにも騒ぐものの、私には騒がれる理由が何故なのかピンと来なくて 思わずその方がどうしたのかと尋ね返したら クラスのみんなから信じられなーいと大合唱のような反応をいただいてしまった なんとその方はこの学園内の四天王の一人と 呼ばれている2年生の龍崎 皇先輩だと 教えてもらった 接点はないし兎に角、お礼だけはお伝えしないと女が廃る …って意気込んで2年生のクラスが立ち並ぶ階まで来たには来たんだけれど、来る時間帯を間違えた 私、何でお昼の休憩時間に来ちゃったんだろう バカバカ いろんなクラスから先輩達がゾロゾロと学食とかお手洗いとかに大移動する為に出て来ちゃったじゃないか 1年生ってネクタイの色が違うからすぐわかっちゃう! 出直したいと思って歩みを止めようとしたら、全く知らない先輩から声を掛けられた そのタイミングでたまたま視界の中に龍崎先輩の視線と一瞬絡み合った…気がした あぁあ 先輩〜 ありゃ、呼び止められた先輩が話しかけるから 龍崎先輩どっかいっちゃった 勇気を振り絞って2年生の廊下に来たというのに我ながら情けない…
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