裏切らない訳

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
 感染力が非常に強いBA5が主流となった第7波の影響で自粛ムードが広がった為、客足が鈍り、席の半分も埋まらず、予約がほとんど取れない苦境に立たされている飲食店が少なくないが、政府から行動制限が出されていない為、協力金の支給がない。  政府は経済を回す為との思惑で行動制限を出さないのだが、協力金を出さずに済むという理由があるのも確かなようで、その所為もあって思惑とは裏腹に飲食店を疲弊させてしまっている。  何せ、飲食店は行動制限が出ていた時と違って行政の基準がないので営業時間を短縮するにも判断が難しく、客離れにつながるので休業もできず、経営費用が嵩むばかりでいつまでも同業他社とのチキンレースになりかねず、負のスパイラルに嵌ってしまうのだ。これでは行動制限が出ていた時以上に潰れる店が増えるのではないか。  そもそも飲食店は匂いや煙が酷くならないよう換気設備が充実していてエアロゾルを外に吸い出す力が強いから感染率がほぼゼロと言って良い位なのに政府が身から出た錆で厚労省の医系技官と感染研に感染対策を任している廉でメインの感染ルートを空気感染とせず飛沫感染接触感染として感染対策の提言をして国民をミスリードしてしまうから国民の多くを飛沫が飛びやすそうで接触しやすそうなイメージのある飲食店から回避させてしまい、経済を思うように回せない要因の一つを作り出してしまっているのだ。  そんな中で繁盛している店がある。そこは他の店と違ってコロナ対策の為の消毒や殺菌作業を一切しない。そんなことはほとんど無意味で無駄だとしている。何故か、空気中に漂うエアロゾルは何処かに留まることなく常に上へ上へと上昇するか、風に流されるから飛沫に気をつけながら空気感染に関する対策のみを念頭に置いておけば良く、換気さえしっかり出来ていれば大丈夫と店長が捌けた英断を下しているからだ。実際そうだし、hepaフィルター空気清浄機付きだし、そこを訪れる客は店長に諭されて皆、感化され、ここは信頼できると判断して常連客になるから繁盛する訳である。  で、俺はアホみたいにせっせとテーブルや椅子を消毒液や殺菌剤の付いたウェスで拭いたりしてる店には絶対行かねえみたいなことを常連客は皆、思っているからその店を裏切らない。  また、その店の看板娘であるウェイトレスが可愛くて他の店に行ったら絶対許さないんだからと常連客達に口を酸っぱくして言うので猶の事、裏切らない。  また、そのウェイトレスがふるっていて大きな胸の谷間を見せつける衣装を着ているから煽情される客たちにボディタッチとかされるのだが、セクハラとは捉えずに男にもてる証拠と捉え、只々喜んでしまうから客足が絶える筈がないのである。ま、それは男性客に限った場合であるが、僕もまた、お尻なんか触ったりして兎に角、親しみやすい子なのだけれど、こないだなんか胸を触ってしまったら流石に引っぱたかれてしまい、強烈な魅力を持った子だなあと身をもって思い知らされた次第だ。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!