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子供の頃から、偶に音が聞こえるんです。
ピピピ、ピピピ、ピピピって。
するとね?いつの間にか、後ろに親父が立ってて、それで僕を殺すんです。それはもう色々な方法で。
首を締められたり、ナイフで刺されたり、突き落とされたり、溺死、感電死、なんか実験に使われてドロドロに溶かされたり、ひどい時にはゾンビをけしかけられたりするんですよ。
いちばんイヤだったのは、身体だけ煮込まれて親父が僕を食べてるところを見させられた時でした。
親父ね、泣きながら「おいしい」って言うんですよ。「おいしい、おいしい…」って、僕はそれをテーブルの上でずっと見てるんです。怖かったです。
で、いよいよって時になると、もう一回、
ピピピ、ピピピ、ピピピ…
それが合図で、僕は「あぎょうさんさぎょうご」って唱えるんです。
そうすると目が覚める。
汗びっしょりで息も荒いですけど、身体には傷ひとつ付いてない。
夢なんでしょうね、つまり。
あの音が鳴るのは昼の時もあるし、夜の時もあります。バイト先で殺された事もありますよ。起きた時ビクンってなるから結構恥ずかしいんですよね。
親父は真面目な人間で、叱られはしても殴られた事は一度もないです。自分からは怖くて近寄れないですけど、優しい人だと思います、多分。
まあそんな感じで、いつから始まったのかは覚えてないですが、とにかく半年に一度くらい、僕は親父に殺されるんです。
あ、いや、てたんです。
実はちょっと前に夢の内容が少し変わりまして、親父が僕になったんです。
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