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片道二車線、200m先の進路上で四人乗り乗用車とワゴン車が事故らしい。
二台の車を囲んで人垣が出来ていた。
ヘルを被った男達、学生ぐらいの歳、と王党派らしき男達が対峙している。
「大学の続きか。」
男達は互いに詰りあっていた。
女性が同盟の側に一人居て、王党派が引き渡しを要求しているようだった。
大学で争点となって居たのも、身分制度、特に女性の身分だった。
つい口を挟んだコトは衝突に巻き込まれ、病院へ行く羽目になった。
「――」
路上でにらみ合いになった男達の内一人が此方を見ていた。
同盟の学生だった。
筋骨隆々な身体は、インテリというより重労働者従事者に見えた。
緊急車両から出てきた警察が現場を閉じ始める。
睨み合いの周囲から双方の間に割って入る。
「 ターンしようか?」
「ええ。」
筋骨隆々とコトの視線が合って居たように見えた。
脇道に折れてターンすると反対車線は嘘のように空いていた。
「何処かよって帰ろう」
「大協のストアに行きましょう」
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