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とにもかくにも行動しなきゃ、もう後がない!
高校別々になったら、それこれもう異次元の相手になってしまう。
とはいえ、ほとんどまともに口を聞いたことない相手にどうすればいいのか?
相手だって「え!?誰?」って返されてもおかしくはない。
でも何とかしなきゃ。
私が中学、高校にいる間、彼には彼女らしき存在はなかった。
それはちゃんとチェック済みだ。
きっかけさえあれば、、、
私はぼんやりと作戦を練りながらいつもの図書館に向かった。
本を返却し、新しい本を借りる。
本をどれだけ読んでも、恋愛偏差値は上がらないが、本を読んでいる時は誰にも気を使わなくていいし、自分だけの自由な時間が好きだった。
あっ!
俯いて何か考え事をしている彼を発見した!
何度か図書館で会った事はあるが、声はかけられず仕舞だった。
今日の私は違う!
何か、、きっかけを、、作るのだ!
とはいえ、彼は何の本も持っていないので、「何の本読んでるの?」は使えない。
ただ、うろうろとしている彼の様子を伺い。本を選んでいるふりをする。
同じ通路にいた時、私は思いきって近づいてみる事にした。
少なくとも私の事を覚えているなら、目が合うだろう。
私は恐る恐る近づいたが、彼は相変わらず俯いたままだ。
目が合う所ではない。
近くに寄ったまま立ちすくんでいると、彼が俯いたまま私にぶつかって来た。
お互い尻もちを着いたが、やっと目が合う事が出来た。
痛いや驚きの前に、これは声かけチャンスだと思った。
「うわぁ、びっくりしたぁ、桜木じゃん!久しぶりー。」
と言いたかった。
ぶつかった彼は、私の言葉を待つ事もなく、急に
「高校どこ行くの?」
と聞いて来た。
え!?
あ、、まぁ、答えなきゃ。
「塩崎高校だけど、、、」
だから、何?と思ったが、彼はそれだけ言うと
「分かった!」
と走り去ってしまった。
何かを話していたみたいだが、突然過ぎる内容と展開で、私は暫く動く事が出来なかった。
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