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タカシ。高校入学。
塩崎高校に入るのは苦ではなかったし、地元だし、特に野望もない俺にとってはナイスな学校である。
高校では部活には入らなかった。
放課後は結構大手ゲームセンターでリズムゲームをする事が多かった。
友達ともカラオケでボカロを歌いまくる日々。
勿論その為にはアルバイトをしなくてはならない。
陰キャな俺は倉庫業を選んだ。
お客相手ではないので楽だし、結構時給も良かった。
しかし、勿論塩崎高校を選んだのは、彼女が行くからだ。
中学のあの出来事から、俺は彼女の志望校が変わらない事をきちんとチェックしながら受験をした。
あの出来事が恥ずかしすぎて、俺はあれから彼女を直接見る事すら躊躇した。
もっと違うアプローチだったならここまで意識する事もなかっただろうに、、
でも有難い事に、彼女もちゃんと塩崎高校に入学してくれた!
これは神が下さったらチャンスだ!
三年また一緒にいられる。
今度こそ、決めなくては、どんどん女性として輝いていく彼女にいつ彼氏が出来るか分からない。
自分は相変わらずの風体だし、中学の頃から何となく女子の品定めの中では「きしょい」部類に入っているようだ。
なぜ「きしょい」のかは分からないが、そこにランク付けされたとしても、俺に被害があるわけでもなかったから、別に気にしてはいなかった。
でも高校は違う。
少なくとも女子達は化粧をする様になるし、いつもイケメンが通る度に黄色い声をあげていた。
その一方、俺の隣の席になる女子はあからさまにがっかりした顔をするのだ。
なるほど、これがモテない君の実態か。女子はシビアである。
確かにリア充は羨ましいと思うが、いつも俺中には「俺なんて、おこがましい。」という気持ちが合ったので、羨ましいが、そうなりたいとは思わなかった。
もしそうなったら俺の横を歩く女子が可哀想である。
とまで思っていた。
まぁだからといって、俺が彼女を諦めた訳ではない。
付き合うとか相変わらずよく分からないけど、とにかく彼女が他の男子と仲良くされるのが嫌なのだ。
笑いかけるのさえも心臓にトゲが刺さる。
俺は多分楽になりたかったのだと思う。
片想いも募れば募るほど辛くなる。
それなら玉砕してすっぱり諦められた方が、、
というネガティブな考えだ。
好きになって欲しいなんて贅沢は言わない。
どうやったら好感度を上げるか?なんて方法も分からないし、努力以前に努力の仕方が分からないのだ。
続く。
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