非モテ君と恋愛処女さんの恋の行方

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でも人間というのは贅沢なもので、努力はしないが嫌われたくもない、というのが本音だ。 だから、一発玉砕しようと思えば、簡単にフラれる。 それは分かっている。 でもそんな嫌われる勇気もない。 だから俺は今日も彼女のクラスを遠回りに素通りしてみる。 目が合うといいのに。 俺のこと覚えてくれてたらいいのに。 出来れば声をかけてくれたらいいのに。 全部受け身だ。 自分から動こうという姿勢もない。 俺はどっちつがずの卑怯者だ。 ダメだ。 これでは小中のままじゃないか! せっかく同じ高校にまで入れたんだ! 俺は自分自身を変えなくてはならない。 このままだと彼女は思い出のままになってしまうし、きっと後悔しか残らない。 この受け身の性格のまま、大学、就職したって、俺は全く変わらない。 想いに想った彼女にさえ、自分にびびって伝えられない様じゃ、何にも変わらない。 俺は、この高校で、必ず決める。 全てをかけてでも伝えてやる! しかし何から始めればいいんだ? 中学での図書館玉砕で、俺は変人だと思われているかも、、 それこそ、もし彼女にそもそも「きしょい」なんて思われてたら、どうする? いや!駄目だ!そんな事言ってるから今の今まで大した形跡を残せていないのだ。 もう、変人でも「きしょい」でもいい。 俺は変わるのだ! 家に帰って玉砕しない為の練習をしよう。 前みたいなのは後免だ。 ちゃんと落ちついて、話が出来るようにならなければ! あぁ、でも女子と喋るってどういう感じで喋ればいいのか? 皆、どうしてるんだろう? 本を読んでも、恋愛ドラマを観ても、俺にはそのやり方が分からない、、、軽く絶望である。 しかし、やり遂げなくては!
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