非モテ君と恋愛処女さんの恋の行方

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タカシ。中学生。 有難い事に、彼女も公立中学校にあがってくれた。 ランドセルを背負っていない、制服姿の彼女はとても凛々しく見えた。 と、同時に女性らしい、というか、スカート姿も相まって、他の男子に狙われたらどうしようという焦りも感じた。 結局、自分からは何も出来ないくせに、、嫉妬だけは一丁前である。 中学になり、部活動が始まった。 俺は運動は苦手なので、友達に誘われるがまま放送部に入った。 放送部の主な仕事は体育祭やら文化祭やらイベント時のアナウンスや、昼食時に流す音楽やちょっとしたお知らせみたいなのを日々流すのが活動だった。 俺はアナウンスよりも企画する方が好きで、あまり全線には立たなかった。自信もないし。 中学になるとクラスも増え、彼女と同じクラスになる事もなかった。 部活が絡む事もないし、下手したら1日姿を見る事すら叶わなくなった。 結局、彼女が小学校の時好きだと言っていた男子とはどうなったのか?それすらも分からないままだ。 確かに女子の人数は増える。 けど、俺は揺るがない片想いのままだった。 彼女より素敵だと思える女子に出会わなかったというのもあるだろうけど、結局、彼女程ブレない女子を見る事がなかったからだ。 中学になっても彼女は変わらない。 テニス部に入った事は知っていたので、下校する時は、わざわざ反対側のグラウンドが見れる道を選んで帰った。 相変わらず、誰が打ったか分からないボールを丁寧に拾い集めている。 ネットも緩んでいると判断すれば、皆が帰る頃にひっそりと直している。 でも相変わらず俺にはない眩しい笑顔。 俺一人の感想かも知れないが、彼女が笑うと一際周りが暖かくなる様な気がした。 俺に向かってその笑顔を向けてほしいと何度思った事か、、 だから俺は密かなる抵抗として、彼女の部活動を暫く見てから、また学校に戻り、スマホゲームで時間を潰し、彼女の部活が終わる頃に下校する。 当たり前だがいつも会える訳じゃない。 まぁ友人とスマホゲームをやるのは確かに有意義ではあるので無駄ではないのだが、下校途中に彼女をたまたま見かけられた時にはとても嬉しかった。 しかし、あからさまではただの痛い奴である。 だから会えなかった時も執着せず、下校ルートも距離はちゃんと開けて、付ける事はせず自宅へ向かい別れるまでの間しか彼女を見れなかった。 しかし、中学生ともなると周りの男子は彼女マウントで忙しくなって来た。 確かにクリスマスや正月、夏祭り、バレンタイン等のイベントでリア充話を発揮させられると羨ましくない訳がない。 俺だって、好きな子からチョコレート貰いたい! いや、好きな子どころか、誰からもチョコレートは貰った事はないが、、、 続く。
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