非モテ君と恋愛処女さんの恋の行方

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そんな悶々とした中学時代を続けていたが、陰キャの俺からすれば、俺よりはだいぶ周りに人がいて、尚且つ運動部だ、陽キャな男子に勝てる訳もなく、でも誰の物にもなって貰いたくなく、、 それでなくても中学になって、全く接点がないというのに、高校が別になればもう絶望的である。 流石に高校は小中みたいにうまく行く訳がない。 俺は一世一代の決心をした。 想いを伝えるまでは行かなくても、俺はまだ彼女を想っていたい。 出来れば側にいたい。 そして俺が始めて自分から起こした行動! 彼女は大概2週間に一回以上は学校の図書館を利用している事は知っていた。 だから、次、もし、図書館で会えたら言おうと思っていた言葉があった。 彼女は幼稚園の時からそうだけど、本が好きだ。 俺は部活の資料集めにしかあまり用事のない所だが、全く利用しないという訳ではなかった。 想像通り、彼女が図書館にやって来た。 想像通りとはいえ、何て話しかけていいのか、まず、分からない。 暫く通路を行ったり来たりしていた。 あまりに悩み過ぎていたのか、誰かとぶつかった時の衝撃は大きかった。 「桜木君?」 ぶつかったのは、なんと彼女だった! 申し訳ないのと同時に焦りがピークに達した。 「あ、あ、、ご、、ごめん。ちょっと考え事してて、、」 言葉にならない言葉。 そして二人の沈黙、、、 うわぁ、耐えられないっ!! 何か、、何か言わなきゃ! えと、、俺何を彼女に伝えようとしたのか、、、 あ、そうだ!!! 「あのっ!!た、高山って高校どこ行くか決めてる?」 えっ?!俺バカ!突然過ぎる、突拍子のないセリフ。 引かれた? うわぁ、どうしよう?! 彼女も言われた事にポカンとしながら「え、、塩崎高校。私あんまり頭よくないから。」 ととりあえず答えてくれた。 俺は自分の行動が意味不明過ぎて、恥ずかしくて、何とかこの場を立ち去りたいという衝動に、駈られた。 「塩崎ね!分かった!俺も!」 とよく分からない返事をして図書館を後にした。 あぁ、気持ちが前のめってしまった、、心の準備が出来ないまま、聞きたい事だけを聞いてしまった、、 絶対変な奴だと思われているに決まってる。 しかも俺も! 何て言われたらドン引きかも知れない、、 俺は自分の中で「終わった、、、」と思いながら、しかし一縷の望みをかけて塩崎高校を受験する事にした。 彼女も余程俺の事を意識し、毛嫌いしてなければ、同じ高校で出会えるかも知れない。 同じ高校でなければ、俺はもう気持ちを切り替えるしかない。
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