4人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
母親が娼婦であること、グロスターの正式な嫡男でないこと、
出自の事で、彼の成育歴に影を落としたのは確かだ。
そして
20歳の時に乗馬事故で、足と腰を骨折して、片足が不自由になり杖をついて歩く。
そして、リチャードの事故後、
グロスター家の歴史、伝統に泥を塗りたくるような事を、多く彼は起こした。
当主であるリチャードは、貴族としての振る舞い、社交をしたが、
貴族社会からは、村八分にされているといった方が正しい。
敬虔な教会信者からは、蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われている事も、
彼はよくわかっていた。
なぜなら、彼は母のいた娼館を買い取り、その経営を始めたからだ。
貴族や王族だけではなく、裕福な商人を相手にする秘密の会員制、
男性限定の社交クラブという名称であったが、事実上の娼館である。
リチャードの経営センスは、特筆すべきものがあった。
彼は昔ながらの貴族が、領地経営をできずに没落し、
その代わりに商人、実業家が台頭するであろう事を理解していた。
次に、彼は男娼を集め、その男娼専門の娼館を経営はじめた。
それだけではない。
最初のコメントを投稿しよう!