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リチャードは男色の小説(BL)を書き始め、
その道では、グロスターの名前がとどろくほどのヒットを飛ばした。
彼の館には、その寝室には、複数の男娼がいつもいるとのうわさも、
真(まこと)しやかに流れた。
女嫌い・・そんな評判も立っていた。
しかも、彼自身、そういったBL指向を否定することはなかった。
特にご婦や教会関係、道徳を重んじる人からは
「口もききたくない、同じ空気を吸うのも嫌だ」
というほどの嫌われ方をしていた。
リチャード自身は
美しい碧眼、それもアイスブルーであり、髪は銀灰色のやや長髪。
肌は男にしては白い。
これは夜行性の生活に起因するものであろう。
額は理知的で、鼻筋が通り、唇がやや薄目なのは、冷酷な感じに見える。
しかし、誰が見てもハンサムであった。
長身痩躯(そうく)であり、黒を好んで着た。
見ようによっては、鎌を持たないが、杖をつく美形の死神のように見えたかもしれない。
王族、貴族も密かに利用する高級会員制社交クラブ(娼館)の経営と、破廉恥(はれんち)な小説家としての知名度と・・・
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