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シャルロッテはわたくしのところへ来ると、少し硬い表情でわたくしに尋ねました。
「フィリーネとユーディットが貴族院から戻って以来、何やらコソコソと動いていることには気が付いていました」「学園長からも抗議を含めた苦言を受けておりました」
彼女は何やら歯切れ悪くわたくしに伝えます。
しかも髪までグッショリ濡れる程、汗をかいて、頬から顎へとその汗が滴るのを拭く動作するしないほど、おどおどしていました。
ーーまた、あの二人…
いきなり出てきたユーディットの名前を聞いてもわたくしは驚きません。だってね…。
「何があったの?」
じっれったいその態度にわたくしはさっきの一悶着のこともあり、少し詰問めいた口調になってしまいました。
「あの…」「その…」としどろもどろになりながら、目を泳がせてシャルロッテはモジモジ聞いてきます。
「…エリーナ様は無関係ですよね?」
一瞬にして目眩が襲ってきました。
学園での出来事が、ここまで大事になっていたなんて…。
わたくしは、学園であった事を思い出し、遠い目をしました。
「ええ…それとこれとは別よ」
「彼等が生徒会を巻き込んで、騒動を引き起こした一端は、確かに、わたくしの監督不行き届きでもありました」「あの時はわたくしも反省しましたわ…」
「はい…それなら私共も安心です…」
そしておもむろに押し付けられた紙片を差し出して来ました。
「これをお読みください」
わたくしはその最初の一行を見て、はっと目を見開きました。
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