MESSAGE.2  体育祭

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 テストが終わると、すぐに体育祭の話になった。  この浜音東高校はどちらかというと陸上競技中心で、A組は赤色、B組は青色……など、学年対抗やクラス対抗で、優勝クラスを決めることになる。  だが、その中でも1つだけ、目玉となる行事がある。それは……  「なぁ明日香、応援団ってなんだ?」  佐久真の声に顔を上げると、プリント片手にこちらを向いている。手元を覗けば、指を差した先に「応援団員を募集します!」と書かれていた。  「あー、この時だけクラスの個人対抗じゃなくて、3学年まとめてのクラスごと団体対抗になって、応援団みたいなパフォーマンスをするんだよね。」  説明が難しいが、とりあえず応援団員を筆頭にパフォーマンスをする種目だ。踊るところもあれば、応援団みたいに三々七拍子をカッコ良くキメるところもある。  まさに「3学年が一体化」する種目で、毎年教員や保護者が楽しみにしているものでもあるらしい。  「応援団員に関しては、特注のシャツに袴履いて、裾の長い法被を着るクラスが多いかな。学ラン姿の時もあるけど、大抵シャツ、袴、法被を注文するって形でやるのが恒例みたい。」  去年、1年生として初めて見て、参加して、咲綾と「来年か再来年、どこかで応援団やろう」と約束するほどにはカッコ良かった。  「明日香と湯村は? やんの?」  「そのつもりだよ。去年、先輩達がすごくカッコ良くてさ。」  ふーん、と言った佐久真は、じっと書類を見つめている。  (羽森くんがやったら、カッコいいだろうな……。)  きっと誰よりも目立つが、その分多くの視線をかっさらっていくだろう。少し見てみたい気持ちもあった。
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