一章 みたらし団子

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※  生まれ変わって行ってしまう彼女を見送るのは何度目だろう。  満足しきった顔でここまで来るのに、いつも彼女はゆっくりと休むことなくあっちの世界へと帰って行ってしまう。毎回懲りることなく、人生の幕引きの瞬間に抑えることの出来ないほどの未練を持ってしまう彼女。 彼女らしいといえば彼女らしい。  前回はアユの塩焼き。  その前はアイスキャンディー。  そのまた前は何だったかな?  いつか彼女がここでゆっくりとしていく日が来ることを僕は待ちわびてもいるけれど、心の奥底ではまた何かを思い出してバタバタと大慌てで帰っていく彼女を見送りたいと思っていたりもする。  次に彼女に会うのが楽しみだ。  川に浮かべた船にゴロリと転がって、僕は雲ひとない空を見つめながら、ふふふっと笑った。
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