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 暗闇に響いているのは、咀嚼音だった。  血溜まりに沈んだ人体は、腹部にポッカリと穴が空いており、大部分の内臓が抉られている。腕や脚もすでに胴体から引き裂かれ、塊となってそばに捨てられている。  は、長いあいだ満たされなかった飢えを満たすかのように、その体を(むさぼ)り続けた。
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