私を終わらせて

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 気が付くと僕は、見覚えのない部屋の中にいた。 「ここは……」  まるで刑務所みたいに無機質な、窓一つないむき出しのコンクリート。  そして――僕と同じように怪訝な顔で立ち尽くす男女が六人。 「……優紀、君?」 「あれ? もしかして……亜紀ちゃん?」  隣に立つ綺麗な女性の中に、懐かしい面影を見出した。高校三年当時、同じ二組の学級委員長をしていた泉亜紀だ。 「優紀って……二瓶優紀か」 「百田⁉ お前ずいぶん変わっちゃって」  ヒゲ面で熊のように図体が大きいのは、元サッカー部のエース百田源治だ。  その隣にいるのが、クラスで一番のひょうきんもの太田勝也。おでこがだいぶ後退し、真ん中分けサラサラヘアーのイケメンで鳴らした当時の見る影もない。 「うっそぉ! 百田ってあの源治⁉ ヤバい! 笑えないんだけど!」  つけまつげに厚化粧と、いかにも水商売っぽいのはクラス一番のギャル吉田麻里香か。 「先生! 先生だけ変わってない! すぐ分かった!」  笑い転げているのはクラスのムードメーカーだった柊千春。  ただ一人、当時とほとんど変わらぬ風貌でぼう然としているのは、クラス担任だった柿沼徹先生だ。 「これは、いったい……お前ら、どうしてここに……」  予期せぬ同級会に一瞬盛り上がりかけた雰囲気が、急速に冷えていく。  そうだ。確か僕も、明日も早いからと就寝したのではなかったか。  夢ではないのであれば、一体いつの間に、この場所に連れて来られたのだろう。
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