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パーティ終了後・駐車場
ダリウスが行き先を指定したのは、
ある大富豪のプライベートパーティが開かれる場所だった。
ダリウスは今頃、パーティでばか騒ぎに興じているのだろう。
リセは待機状態だ。
うす暗い地下駐車場の停車した車の中で、
ダリウスの基本情報を読み返していた。
極秘情報は持ち出し禁止だが、護衛仲間からは情報を得ることはできた。
ダリウスはパーティによく参加する・・
それは気に入った女性を<お持ち帰り>にするためだ。
しかも気まぐれで、不特定多数の女性と関係をもっている。
あの性格なら・・長続きはしないだろう・・
彼の履歴には、こうあった。
<王族の継承者争い>
ダリウスは幼い頃、叔父から殺されかけた事があった。
事故にみせかけてはいるが・・
母親は毒殺され、父親は失踪しているらしい。
殺されたのか・・・真相は不明。
ダリウスは自らの意志で、王位継承からすぐに離脱したが、
内紛は未だに続いている。
ダリウスを担ぎ上げて、王位につかせようともくろむ官僚も存在する。
それに巻き込まれないよう、ダリウスは気ままに
各地を転々とした生活を送っている。
金だけは潤沢にあるようだ・・
隠し財産が色々な場所にあるらしい。
リセはスーツのポケットから、ハンカチに包んだクッキーを取り出した。
ぽそ・・ぽそ・・とかじる。
身辺警護は激務だ。
主人の行動に合わせるため、食事の時間も満足に取れないことが多い。
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