翌日・シナモンの香り

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翌日・シナモンの香り

リセは指定された時間に、ダリウスの部屋の前に立った。 執事がドアを開けてくれた。 「ダリウス様が、すぐにお出かけになられます」 ダリウスがバスローブ姿で、寝室から出て来た。 シャワーを浴びたところなのだろう・・ 髪が濡れているのか、タオルをかぶっている。 「ダリウス様・・お支度を」 執事が出て来たダリウスを見て、言った 「車の準備をいたします」 リセも同じようにダリウスを見て言った。 「ああ・・」 ダリウスは全く何事もなかったように、それだけ言った。 昨日の<キス試験>は・・ 取りあえず不合格ではなかったのだろう・・リセは思った。 今日の行き先は、大物政治家の大邸宅でのパーティ。 いつものバカ騒ぎで、<お持ち帰り女性>を探すのだろう。 リセは待機の車の中で、 昨日と同じようにクッキーをかじり、ダリウスの関係資料を読み込んでいた。
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