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リセにもサングラス越しにダリウスが、
面食らった表情をしているのがわかった。
何という事を言ってしまったのか・・
リセも・・自分の大胆発言にどう対処したらよいか・・・
判断ができなくなっていた。
しばらく沈黙があったが、
「お前のその恰好では・・」
ダリウスがそう言い、ジャケットを脱いだ。
サングラスを外し、パーカーを脱いで、すぐ脇の木の枝にひっかけた。
それからジャケットをまた着て、もう一度サングラスをかけなおすと、
「これを着ろ」
ダリウスは自分の脱いだパーカーを、リセにつきつけた。
「・・はい」
命令なので、リセは自分の上着の上から、パーカーをかぶって着た。
小柄なリセにはそれでも、大きかったが。
ダリウスはジャケットの内ポケットから、
小さなナイフを取り出すと、リセに近づいた。
「動くな!」
リセは目をつぶった。
失言が原因で死ぬのかな・・殺されるのかな
死ぬ前に、シナモンクッキーを山ほど食べたかったな・・
と思いつつ、息を止めた。
頭のすぐそばで、ダリウスの動く気配がした。
リセの髪が・・ふわっとほどけた。
「このほうが・・いい」
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